映画「ストレンジ・ダーリン」

35mmフィルムで撮影した耽美的な映像がとても美しかった。

イエローとライムグリーンの黄金葉、 甘美なネオンピンクのタイトル、70年代のグラインドハウスの滲み出るカラーグレーディングによる色彩にクラクラする

人物キャラクターを強調するための「赤」や「オレンジ」の配色、背景の「緑」とのコントラスト、「赤と黒」、単色の組み合わせは、洗練的で強いメッセージ性を与える、 猥雑な場面とは不釣り合いなダークブルーはスタイリッシュな印象、赤で統一された部屋はレトロポップで官能的。映画における色の組み合わせには意味があり、なぜその配色が使われているのかと推理して考えるのも楽しい、映画を色彩心理学的に読み解くのも面白い。それ以上にこの映画の登場人物の出会いが予測不能な展開へと突き進んでいく様子を、時系列を巧みに交錯させた全6章構成のアイディアがとても斬新で面白かった。

 U2CREATE  内海毅 UTSUMI TAKESHI ユーツークリエイト