演出を積み重ねていく工程で「これはもう完璧だろう!」と思っても いざ具現化すると効率が悪く問題だらけの事が起こる件。
美術デザイナーは 2016年「钟汉良 乐作⼈⽣巡回演唱会」のデザイナー JH.JUNG氏に依頼。
JH.JUNG氏は 私の大人気ない奔放な想像力で伝えたイメージを、的確に具現化してくれる再現性を重視した基礎力を持っているデザイナーです。
韓流系LIVE等の現場経験から施工における素材や材質を理解しているので、最初のイメージデザインに相違が無い仕上がりの、想像が出来る設計図を描ける方で、デザインロジックがあるので仕事が早い。
「钟汉良 乐作⼈⽣巡回演唱会」のセットデザインでは、制作時間が無かった短期間で図面を何枚も仕上げてくれました。
今回も無理難題の要望も予想していたので、パッとイメージが思い描ける日常的なインプットが要求されるので セットデザインは JH.JUNG氏以外には考えられなかった。
2021年11月。
「O」を可視化する考えで 舞台中央にタイムトンネルをイメージした隧道プランは面白いアイディアだとウォレスに受け入れてもらったが、私のラフデザインを、JH.JUNG氏に図面に
落とし込んでもらうと、隧道がシンボリック過ぎて、シーン作りの弊害になる事が分かった。
タイムトンネルを想起する隧道をアルミ素材の円形トラスで考えた場合、イメージした円形が既存サイズだと実現不可能、オリジナルを製作するには予算が掛かる、円形を自立させる為には基礎舞台の高さが必要、床との高低差が出来る事で演者の出入り口に階段が必要となる等、円形のサークルを正面に設置すると色々な問題が生じた。
そこで 隧道に見立てた円形の構造物を天井に設置し 昇降させる装置で舞台正面に降ろすプランに変更。
また細かくランダムに配置したLED案から、圧倒的な世界観を体感する為に 映像も 2.40:1 → 1.43:1 画角まで拡張したLED映像プランを提案し IMAXシアターをイメージした美しい映像をフルに体感するためのシアタープランに変更した。
最初のプランから図面を試行錯誤した結果 このデザインが基礎プロットとなり その後 演出に合わせた装置として特殊機構を加え最終美術デザインとなる。
U2REATE 内海毅 UTSUMI YAKESHI ユーツークリエイト


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